シネマティック・アクションルール

香港アクション映画やアニメでおなじみの、椅子や机、壁などが砕け散ったり壊れたりするようなアクションを再現するためのものである。戦闘がかなりコミカルなものになるだろう。

基本ルール
戦闘マップを通常のメガテンルールではなく、「エリア」「ブロック」というように分ける。
1戦闘エリアのことを「エリア」と呼び、それらを上下左右4つに分けたものが「ブロック」である。

ブロックとブロックの間は仕切られておらず、移動することが出来る。
移動には「速」判定を要する。成功すれば、1ブロック分移動することが出来る。
この判定はマルチアクションが可能であり、成功した数だけ移動することが出来る。
この判定は、自動成功を選ぶことが出来る。
これを選択した場合、自動的に1ブロック移動することが出来る。

エリアとエリアの間を移動する場合は、「脱出点」というものを「保持」している必要がある。
(保持については後述)
脱出点を保持したキャラクターは、1アクションを使って別のエリアに移動することが出来る。

この「エリア」と「ブロック」の関係によって、攻撃範囲の解釈が変わる。
前1→同じ「ブロック」の1体
前列→同じ「ブロック」の全体
1 →同じ「エリア」の1体
1列→1「ブロック」選択し、「ブロック」全体
全体→「エリア」全体
前2→同じ「ブロック」の2体
2 →同じ「エリア」の2体

シネマティックアイテム
シネマティックアクションに影響を与える物品はシネマティックアイテムとして設定される。
アイテムとして設定されないものは、基本的にゲームには影響しない。

アイテムの基本データ
「サイズ」「判定値」「威力修正」「SHOCK%」「特記事項」が指定されている。

アイテムの保持
アイテムを「使える」状態にすることである。武器や防具の準備と同じ扱いである。
これには補助アクションを要する。
アイテムは1種類しか保持できないが、エリアにいるだけで保持しているアイテム(壁や床)はその種類に含まれない。
キャラクターがなんらかのバッドステータスに陥った場合、「保持」は解除される。
キャラクターを保持することも出来る。この場合は「盾にする」と言う。
盾にされるキャラクターが同意していない場合、双方がイニシアティブロールを行い、勝った方が負けたほうを「盾にする」ことができる。同値だと、どちらも盾に出来ない。
キャラクターを「盾にした」ものへの攻撃は、回避判定を行う前に、50%の確率で盾にされたキャラクターへと向かい、回避判定を行わなければならない。
自発的に「誰かの盾になる」こともできる。
すでに誰かの盾になるキャラクターを奪い返す場合は、1アクションを消費してイニシアティブロールに勝つ必要がある。

シネマティックアイテムを保持した場合、さまざまなアクションを行うことが出来る。

・アイテムを手に持って攻撃する。
アイテムの「サイズ」がキャラクターの体能力値以下の場合、手に持って攻撃に使うことが出来る。
これは、「保持」の制限には含まれないが、武器を持つ制限(二つ)に含まれる。
この攻撃は剣相性の攻撃である。
アイテムで殴りかかる場合は格闘攻撃、投げつける場合は射撃攻撃として判定、判定値はアイテムに指定された「判定値」か、力か速判定のいずれか高いほうを使う。
この置く激が命中した場合、キャラクター自身の格闘威力か射撃威力に、アイテムの「威力修正」を加えることが出来る。
加えて、「SHOCK%」に等しい確率で対象をSHOCK状態にする。
サイズが「-」のアイテムは、手に持つことが出来ず、攻撃に利用できない。

・攻撃した対象をアイテムに叩き付ける
敵をアイテムのほうに叩き付ける攻撃である。
これは「素手による格闘攻撃」「シネマティックアイテムを用いた格闘攻撃」または「衝撃相性の格闘・射撃・魔法攻撃」がクリティカルで命中した場合に発生する。
ぶつけるアイテムを決め、そのアイテムの威力修正を(クリティカルの効果や相性による倍率をかける前の)威力に加算する。
副効果の代わりに、アイテムのSHOCK%と同じ確率でのSHOCKを与えることを選んでも良い。

・アイテムで防御する
敵の攻撃を保持したアイテムによって防御する。
アイテムの「判定値」で判定し、成功した場合アイテムの威力修正を防御力に加える。
これは、クリティカルや相性による倍率をかける前に適用する。命運によるダメージ半減はこの後である。
壁や床は防御に適用できない。
アイテムを使用した攻撃や防御でダメージが発生した場合、アイテムが壊れる可能性がある。
アイテムの強度<強度の2倍のダメージを受けると、ダメージは半減する。
アイテムの強度の2倍以上のダメージを受けた場合、破壊される。
対象が「前列」「一列」「全体」の攻撃は、キャラクターが保持して、なおかつ手に持っていないアイテムに破壊判定を発生させる。

まとめ。
前列後列の差がなくなったのは大きく、今までのように安全地帯が少なくなったのは大きい。
しかし、前1だけしか攻撃手段を持たない敵に関しては近づかないと当たらないし、それは敵も同じである。
ここで前衛にとって役に立つのがエレメンタルスラッシュと縮地である。これがあるだけで攻撃範囲はかなり広まるといってよいだろう。
そして、シネマティックアイテムのあるなしで、攻撃相性に関してもかなり変わってくる。
格闘攻撃は素手格闘でしかクリティカル効果を受けられないことに注意。武器ではこの効果を受けられない。
素手格闘のキャラクターがいるなら、強力な武器格闘と区別をつけるためにシネマティックアクションを導入するべきだろう。
また、衝撃相性もシネマティックアクションルールによって強化された、モノによっては強力な副効果が付く。
それこそ、電撃相性を超えるほどの、である。ちなみにクリティカルだからといって2倍にはならない。
それでも壁や床に叩き付けるだけでSHOCK60%(BOSSには30%)が飛んでくるのである。
実質SHOCK30%を与えているようなものである。しかも壁や床は高い確率で存在する。それを考えれば、かなり有効な攻撃である。
一方、「盾にするルール」のほうは、半々の確率で当たってしまうという欠点がある。
確実性がないのだ。
しかし、安全性はある。盾にしたNPCを殺したくないなら、安全のためBOSSは通常より弱め……ルールブックままのほうがよいかもしれない。

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